悩み多き歯科医師さん

歯科医師の苦悩

仕事姿からはそうは見えなくとも歯医者さんも悩みを抱えているものです。

歯科医師だって人間ですからテキパキと患者さんの虫歯を治療したり虫歯を抜いたり している後姿からは想像できないかもしれませんが、人並みに悩み事を抱えている のは別に不思議なことではありません。 むしろ歯の健康を気にして通院している患者さんのために神経をすり減らして、 集中して手元の細かい作業をするのですからストレスは相当なものになるでしょう。 精神的なストレスだけでなく主に指先ですが肉体を使うお仕事なので肉体的にも 部分的にはかなりの負担がかかります。 そのため悩みを抱えることもあるのですが、歯科医師はああ見えて意外と孤独な 職業だということを知らない人がほとんどです。 そして悩みを打ち明けたり相談できる人が少ないのも歯科医師にとっては深刻な話で、 歯科医院を経営する立場としてはパートの事務員さんに気軽に悩み事を相談するわけ にもいきませんし、部下である歯科助手さんにもプライベートで抱えている悩みを 聞いてもらうのもあまり好ましいことではないと考えてしまいます。 歯医者の悩みは歯医者に解決してもらうのが昔からの慣わしとなっていますが、 現実問題として狭い仕事場で職業柄他の歯医者さんとの出会いもそんなにないため、 相談できそうな相手は同期の友人くらいしかいないのです。 その中で相談者候補となるのはせいぜい2~4人で、人によっては皆無だと主張する 歯科医師だっているくらいに深い(ディープ)な関係の友人は少ないようです。 なので悩みを抱えっぱなしの歯医者さんは意外と多く、常にストレスを感じながら 日々の仕事をこなしているという話をよく聞きます。 そんな時映画やドラマなら赤提灯でひとりぼっちでおでんをむしゃむしゃ食べながら 焼酎をあおり「やってらんねーぜ」と愚痴をこぼして「おやじもう一杯!」と追加 オーダーをして「旦那呑みすぎですぜ」とたしなめられるところですが、実際には そんなことをする歯科医師はあまりいないようです。 そもそも全ての歯医者さんがアルコール好きなわけでもなく、麦茶のほうを好む 歯医者さんも世の中には大勢いるのです。 居酒屋やオシャレなショットバー、炉辺焼きのお店や洋風居酒屋、ダーツバー以外にも お酒を飲めるところはあり、スナックやキャバレー、高級なクラブのようにお酒を 提供してくれるだけでなく可愛い乙女と会話を愉しむことができるお店だってあります。 そこで面白トークをしたりちょっと羽目を外してストレス発散することもできますが、 その類の店でブランデーではなく麦茶やウーロン茶を飲むのは少しもったいなく、 あまり歯医者さん向けのストレス解消法とは思えません。 それにこの方法では溜まったストレスは発散できても悩み事はなにひとつ解決せず、 次の日からまたモンモンと仕事を続けることになります。 やはり相談できる相手をみつけて悩みを打ち明け、どうすれば解決するのかを指南 してもらうことが一番なのです。 それが職業柄難しいのが歯科医師なので、ひょっとしたら悩みを抱えている職業の ランキングを調査したらかなり上位に食い込むのではないかと予想されますが、 それを患者さんに悟らせずに奥歯の治療をしたり入れ歯を制作してくれていることは まことに賞賛に値するべき立派なことで、女性だけでなく男性からも尊敬されるのも 納得の人格者といえるでしょう。 そんな素振りすら見せない歯医者さんはどのような悩みを持っているのか、ここまで くると興味を持ってしまうほどですが通院先の歯科医院で先生に「あなたは今悩み がありますか?」「どんなことで毎日苦悩してるのですか?」「よかったらこっそり 私に打ち明けてみませんか?」「あなたを明るい未来に導いてさしあげましょう」 などと話を振るのはやめておきましょう。